私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

柿の実とともに 2014年 ついに魔女の一打に襲われるまで

私が動けなくなったと聞いて、母の気力も弱ったのか 柿の実の巻 「暗い歌」カーテンの向かうは雲の世界にて時流れつつ深閑とせりどうしやう君との関係この先の難聴の日々生きむと母は死ぬ前の最後の旅と名づけたき明日よりの刻道しるべ無し贖罪も悔ひも涙も…

鬼灯とともに 2014年 迷い道坂道

皺だらけの顔に、突然瞳が光るときある ほおずきの巻 「今年のTokyo」どこへ行く地震ある島逃れむにテロや疫病難民溢る「終活」の一なる遺言固まれるいつでも来いと旅のプランをタワーのみ都会の墨絵に紅を差すお台場まわる秋雨一日金あれば増やさむとてかビ…

牡丹とともに 2014年行ったり来たり

すぐに忘れる母は、わたしを待っているだろうか 牡丹の巻 「初ビートルズ1」吾を駆るリズムとサウンドしたたれる緑の道なりファウストもどき眼に緑初ビートルズつむじ風倦みし心もこの世を愛すビル群の並ぶ空の端CDにポールかレノンか浴びて運ばる笛吹市の…

風船葛とともに 2014年秋めくまで

南風激しい、心臓には悪いらしい、ペースメーカーある母 フウセンカズラの巻 「皐月の思惟」回りゆく地球の仕組み止むなくてたちまち暗し緑と茅花と老い人の植ゑゐる何かたちまちに人参なすびモロコシも出づ吾といふ竜巻襲来ダンゴムシの団居(まどゐ)の夢…

アイリスとともに 2014年 房総の4年目後半

2014年 見ないまま今日の嵐に散る桜、母は知るや アイリスの巻 「いつもの月命日」早生の子の黒厨子をしづじづと蓮の始めて開く七月油断して触れてしまひし罪科の輪 修正きかぬ変わらず痛む父の死の十一日と息の生日 文月十四日無駄に拘る意味不明の亡き…

鈴蘭とともに 2014年 たくさん詠った、のは確か

習字や絵をかきたいのに出来ないと母は嘆く 鈴蘭の巻 「都会から鄙への帰路 ーー 首都高い往く」東京の地下の深きにインフラの秘密の迷路作られてをりガックリと長い黒髪垂らしたる顔なきものの座しゐる車内都へと集まる栄華 揺れながら名も無きものら希望に…

桜とともに 2014年終活が心を占める

運の良い母だと思ったり可哀想だったり 桜の巻 「依然として破れ鍋に綴じ蓋」朝夕の不満だらけが不満にて自省すれどもぬるりとどぜうかく妻に疎まるるわけ何故作る吾を頼る夫天涯孤独なり吾が不満と隷属のわけ分析す地霊のごときマグマ危ふし夫の弱みついに…

菜の花とともに 2014年 チャレンジばかりはする

春の野の花を摘む、すぐにしおれる 菜の花の巻 「文句の多し」この不快胃酸逆流ならむとて半身起こしてい寝ればどつぼ斜めより世を眺めては歌でなしと失笑さるる変人にてそろすり減りし三年来のスニーカーまだ履けるかもと思ひてみつき祖母譲り外反母趾の遺…

侘助とともに 2014年残骸の山築き続ける

半刻の散歩、ひさしぶりの天然 侘助の巻 「春への愁い ーー 赤の波長」仕方なしかく夕暮れて雪原に赤の波長を受けて立つ春雨の庭の千草をあすは摘むセシウム少々含まむとても入選の歌を読み終ふきざはしを鬱二日分転がり落ち来共感とふ思考のパターンのレー…

冬の実とともに 2014年立春と大雪

体も脳も衰えるものだ 老いの道 冬の実の巻 「立春」春立つや寒波傾(なだ)るる西空のもやの帳(とばり)の月とふ裂き傷隣屋に実る黄のもの 冬鳥の活計(たつき)支ふる意図かは知らずまばらなる箏曲の会 究めたる人の爪音耳に飛びこむ何思ふ猫族なるや一日…

柚子とともに 2014年房総に3年過ぎて

2014年 92歳の母 回復して普通食 柚子の巻 「振り返る」母と居る正月吾に娘あり 銀髪整へ美しくする 吾が想ひなにかが世とはズレがちを「おっちょこちょい」と父の呼びたる年新た父娘(おやこ)並びて「春の海」奏せし図あり 振り袖延べて野の花の絵の…