2015-04-03から1日間の記事一覧
私が動けなくなったと聞いて、母の気力も弱ったのか 柿の実の巻 「暗い歌」カーテンの向かうは雲の世界にて時流れつつ深閑とせりどうしやう君との関係この先の難聴の日々生きむと母は死ぬ前の最後の旅と名づけたき明日よりの刻道しるべ無し贖罪も悔ひも涙も…
皺だらけの顔に、突然瞳が光るときある ほおずきの巻 「今年のTokyo」どこへ行く地震ある島逃れむにテロや疫病難民溢る「終活」の一なる遺言固まれるいつでも来いと旅のプランをタワーのみ都会の墨絵に紅を差すお台場まわる秋雨一日金あれば増やさむとてかビ…
すぐに忘れる母は、わたしを待っているだろうか 牡丹の巻 「初ビートルズ1」吾を駆るリズムとサウンドしたたれる緑の道なりファウストもどき眼に緑初ビートルズつむじ風倦みし心もこの世を愛すビル群の並ぶ空の端CDにポールかレノンか浴びて運ばる笛吹市の…
南風激しい、心臓には悪いらしい、ペースメーカーある母 フウセンカズラの巻 「皐月の思惟」回りゆく地球の仕組み止むなくてたちまち暗し緑と茅花と老い人の植ゑゐる何かたちまちに人参なすびモロコシも出づ吾といふ竜巻襲来ダンゴムシの団居(まどゐ)の夢…
2014年 見ないまま今日の嵐に散る桜、母は知るや アイリスの巻 「いつもの月命日」早生の子の黒厨子をしづじづと蓮の始めて開く七月油断して触れてしまひし罪科の輪 修正きかぬ変わらず痛む父の死の十一日と息の生日 文月十四日無駄に拘る意味不明の亡き…