私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

生物が発生することの不思議を追求する人々

よくもうまいこと、一個の受精細胞が分割されて、次第に分化し正しい形をとり、役割を果たして行くようになるものだ。
われわれのほとんどがその幸運をくぐり抜けて、生きているその克明な仕事の謎解き。
たとえば、分子生物学の分野で
受精直後の胚細胞に特有な突然変異が抑制されるメカニズムが解明された
生物の突然変異は、進化過程でのウイルス感染などの情報を記憶した遺伝子が突然働きだすことなどで起こることがある。(発生から時間がたった細胞では、DNAの塩基に酵素が働いて変異を抑制している)
発生最初期の細胞で、ヒストン(これにDNAの鎖が巻き付いている)のあるアミノ酸一個に働きかけて、突然変異を引き起こすような遺伝子の読み取りを防ぐ特定の酵素があるという。それをみつけたのだ。
面白いのは、この発見が逆に応用されて、遺伝子治療に役立つと言う考えだ。患者の細胞に組み込んだ遺伝子の活動が抑制されないで病気が改善されるための方法として。

もうひとつ。
生体内のさまざまな化学反応を橋渡しする酵素には、タンバク質で作られたタイプと
「リボザイム」というリボ核酸=RNAで作られたタイプの2種類がある。
新タイプが加わった。
たとえば生体内で誤ったタンパク質が合成されるのを防ぐために、RNAとタンパク質が協力して一つの酵素のように働き、分子を排除する。
地球に生命が誕生した頃、タンパク質型の酵素は無く、リボザイムが酵素役を担っていたと考えられている。
生命が進化する道筋の解明にも役立つのではないか、ということだ。