私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

*[音楽]*[脳科学]

あるNHK放送大学講座を見た。数年前の再放送だ。
しかもその話は2000年には電子雑誌に発表され、爾来10位以内の引用件数を獲得している。

例により、詳細な情報はここにはなし。
誰が発案したのかもどんな経緯で実験されたのかも省略。
生物学者であり、同時に作曲家でもある人物が従来のレコードと、CDによる音の変異にこだわって
その原因をさぐる。

人間の聞きうる音の高さの周波数は20ヘルツまでであり、西洋近代音楽のための楽器、オーケストラすらもきっかりその幅に、そのひびきが収まるようにできている。CDにおいてもしかり。

世界中にはたくさんの民族音楽系の楽器がある。それらをつぎつぎに音波計で録音して回った。
研究の結果、ほとんどのそれらの楽器では、50から100ヘルツまでの聞き取れない振動を発していた。またつねに音が不定常でありむらがある。
それが人類の楽器であったのだ。

そこで学際的な動きが始まった。
PETに人間を入れ、楽器の音を聴かせる。その時の脳内のどこが活性化しているかを見るのだ。

あまりにも明らかな違いがみられた。
つまり民族音楽系の楽器の音を聴くと、少し間を置いて顕著に活性化した部分は、中脳(視床下部を含む感情など)と、そしていわゆる報酬系と呼ばれる快感や美しさを感じる部分とであった。
そしてその影響は、遅れてしばらく続く。
何故かというと、大脳皮質とは違い、この部分では神経伝達物質の受け入れに少し時間がかかり、逆にそのせいでその物質、ドーパミンなどが長くそこに残ったままで消えない仕組みになっているのだ。脳神経のシナプスの構造が違うのだ。

さて、今度はPETを出て、普通に人間にイヤホンでそれらのハイパー不定常波長を聴かせた。
なんと、脳は活性化しない。
イヤホン無しで普通に部屋であれば、活性化する。
ではイヤホンからはCDの音を、そして室内にはハイパー音楽を流す。
すると、中脳は活性化した。つまり高周波の音は人間の体に影響を与えていたのだ。

日本で言えば
太鼓、琴、尺八など身近な楽器を生で聴くことは高周波の影響を受けていることになる。
そしてそれが脳で伝達される仕方によって、人間にはより深い感覚として感じられているはずらしい。

テレビで録画しているので、詳細は書くことも出来るが、自分の感動と記憶のみに頼って書いた。いつものことだが。