私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

肱川をもうもうと海までくだる霧の白い龍

愛媛県になんとかいう盆地があり、そこから肱川という川が海まで流れている。
冬に数回しかそれは起こらない。
地元の老人カメラマンたちが、経験則から待ち構えて、寒さに震えながらそれを撮影する。

条件があった。
1、北から風が吹くと、北への霧の流れはできない。
つまり、肱川は瀬戸内海に北向きに流れ込んでいる。
冬型低気圧が去って、高気圧がそこらに張り出した時のみ可能なのだ。
その意味は、暖かい海面と冷たい空気が接触し、空気が上昇し、気圧が減少する。そこへ空気は入り込んでくる、つまり盆地から北へと肱川を下るのだ。

2、満潮のころ、肱川には海から水が逆流してくる。そこには霧が発生する。海水が暖かく空気が寒いからだ。

3、晴れた寒い夜、盆地では空気が冷え霧が発生する。

これらの条件が整うと、もうもうたる霧の流れが時速10キロ以上の風に乗って河口まで流れ出す。
まず、満潮の時期、高気圧、晴れ、と条件を満たしていくとおおよその予測がつくということだそうだ。