私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

信州大学での講義「現代史」


昨日の放送なのでご覧の向きも多いと思うが。

ソヴィエト(評議会)連邦共和国から、今のロシア連邦共和国への歴史にはわたくし興味が薄く、また世界のあちこちでおこる紛争を、不審に思いつつもただぼんやり眺めていたのだが、

そーだったのか、と思わされたので一聴講生の感想をひとこと。(池上さんが正しいとして)

といっても大上段に振りかぶるわけではなく、ごく私的に。
1、宣伝に乗るな、という教え。
スターリンが農業のやりかたを密植(苗をびっしりたくさん植える)にしようと命令、しかしコルホーズやソホーズで大規模に失敗、大飢饉に。
しかし対外的には逆の宣伝をする。中国と北朝鮮とアフリカの元植民地だった新興独立国が真似をして、もちろん大飢饉に。
中国は毛沢東のあと、間違いに気づきこれを止めたのだが。


2、民族紛争は意図的に起こるように種がしこまれていたこと。
スターリンが周辺地域を連邦に引き入れた時、反逆の予防策として、一つの国に他の民族を移住させた。あるいはある民族をロシア国籍にしておいた。
まだら模様になった諸国で、独立を巡ってたえず内紛になる。ソ連ないしはロシアの軍事的介入を受ける。

私はこれまで単に、人間の内的な身びいきが紛争の原因にあるのかとおもっていたが、それはそうであるとしても、そこを利用した悪巧みが準備されていたとは!
イスラエルとバレスチナの戦いの根っこは、単純ではないのかもしれない。


3、独裁政治の恐ろしさは粛正と秘密主義である。
スターリンは非常に猜疑的な人物で、側近も人民代表も殺しまくった。また優秀な将校を半分以上殺すか強制収容所に入れた(それはドイツの謀略に乗せられたのだが)。
今、リビアのガダフィ少佐が追い落とされそうになっている。ここにも粛正と秘密とが横行していたようだ。


4、せっかくの民主的な日本で、いまや政治家がだらしないからと国民が見限ると、その心の隙間に、非常に危険なものが現れる可能性があるだろう。演説のうまいヒーローとか。

5、ドイツの戦後にはシュミットという優れた首相が国民の考えを遥かに越えた施策を行った。
満足した労働者はもっともいい労働者である、というのが彼の名文句として知られている。

6、批判をするのも無視するのもたやすい。事実を知る術は庶民にはあまりない。しかしメディアこそ正しい情報をつかんで報道して欲しいし、そうなると庶民も知らなかった、わからない、では選挙の1票が害を為すことになるかもしれない。

4、5、6については、池上彰さんの番組とは関係なく、その余波のような暴走的発言。悪しからず。