白百合のごとき君なりき、などと言うが
なかなかに、いわゆる「高砂百合」は楚々とばかりはしていない。
あえて由来は調べないが、台湾の高砂族という人たちと関連しているのではないか。
ともかくよく生えて来る。栄養がないと20センチばかりでも花を咲かせる。白い百合だ。
芽立ちの頃には、天敵の赤っぽい虫が汚らしく花芽を食べ尽くす。
こちらも気味が悪いので、その頭を切り落とす。あるいは根っこから踏み倒す。
残忍だ。
ひとしきりこんな戦いが続く。
天敵には天敵がいるもので、やがて姿を見かけなくなる。
わが世の春だ。栄養状態に依るが、ともかく高く育つ。まっすぐに伸びて止まない。
今年の新記録は2メートルを越えたジャイアント。
となりのカロライナジャスミンの新芽と助け合って、しっかりと立っている。
一方、仲間も多い。群れて育つ。
桜の大木の木陰には、他に育つものもなくなる。高砂百合以外には。
そして不思議な百合の林ができていた。
翌日運悪くほとんど刈られた。
しかし来年はまたお目にかかれるだろう。