私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

やや剣呑な話題になるが、戦後しばらくして在日の人たちが「地上の楽園」北朝鮮へ大量に帰国して行った。

NHKの番組である。本来は今の韓国出身である人々も、差別に満ちた日本社会から逃れ、希望を持って渡って行ったそうだ。その結果は今ではかなり知られるようになった。命がけで再び日本に帰って来ることのできたいわゆる日本人妻に対し、日本の受け入れ態勢は無きにひとしいものであるという。
しかし、なぜ朝鮮半島の人たちが日本にいたのか。そのことにはほんの一言も触れられない。常識だから言うまでもないというのだろうか。
考えてみれば終戦直後の、左寄りの教員による教育を受けた自分でも、余りきちんと教わらなかった。家族の誰もそんな事情を口にはしなかったし、正直知ろうとしなかったし関心が無かった。
小学校時代、クラスには日本人でない子どもが必ず数人いた。少なくとも自分は、その子どもたちに対して差別意識は皆無と言っていい程持っていなかった。民主主義教育のせいなのか、とも思う。そして自分の中に今も昔も人種差別の気持ちがほとんどないことを、誰に対してかしらないが感謝している。
拉致家族の人々の悲しみを見て、かえって朝鮮半島の人々の苦難が思われるようになった。このように感じている日本人がいるのだろうか。いないのだろうか。