私家版マスメディア〜logo26のシニアの生き方/老婆の念仏

何が出てくるやら、柳は風にお任せ日誌、偶然必然探求エッセイ

点描:ある父親:彼はタイの男である。

民衆の一人である。この15年来、妻と小間物屋をしていた。男女の子供がいた。時々街に出ると、彼は女を買った。男なら誰でもすることだと思って。病気をうつされるのは嫌だったので高級な娼婦を相手にした。そして、やはりエイズを発症した。その前に妻と第三子の幼児に感染した。村人は彼らを避け、店は閉ざされたままになり、彼は骨と皮にやせて皮膚はむしろのようだった。妻は彼を憎んだ。彼は死んだ。彼の家族はばらばらになった。幼児と母親さえもいろいろな理由から別れた。彼は最後に知り合いに言ったという、それは美しい娼婦だった、と。

この地球の上で、ぶん回されているとも知らずに、人間がしていること。悲惨は山ほどある。美しいこともある。